画像元:https://twitter.com/official_YAZAWA
先日の大型台風で、
福岡公演を決定した歌手の矢沢永吉さん。
ファンは大変うれしい出来事だったものの、
ファン以外からは不評でした。
ところで矢沢永吉さんは僕が物心を覚えたうちから
「生きる伝説ロックシンガー」
として存在しています。
彼が現在も人気がある理由。
そして生きる伝説となっている理由を
色々追いかけてみたところ……
矢沢永吉の簡単な生い立ち
画像元:https://twitter.com/miku0909sol
まず矢沢永吉さんの簡単な生い立ちから書きます。
1949年広島県生まれ。
永吉さんが3つの時に母は蒸発し、小学校2年生時に父は亡くなりました。
親戚中をたらいまわしにされ、父方の祖母に育てられ、
貧しい少年時代を過ごし、いじめの標的にあい、日々屈辱を味わっていた。
「絶対将来BIGになってやる!」という形で昇華していった。
高校卒業後、横浜に拠点を構え、
アルバイトしながらバンドを組み、解散し、また組んで……
伝説のロックバンド「キャロル」が生まれた。
しかし75年に解散し、以降は一人で精力的に活動します。
最初はキャロルと違う姿勢の音楽を提示して、
ブーイング及びファン離れを招いたものの、
日々の努力が実り、新しいファン層を獲得、現在に至ります。
より詳しい生い立ちはこちら。
矢沢永吉の人気1:歌い方
まずは本業である歌に焦点を当てましょう。
矢沢永吉さんの歌は他と何が違うのか?
まずは僕の感想から書きます。
矢沢永吉さんの歌声はハスキーかつワイルドさを持っています。
一方で歌詞も「男の生き様」に焦点を当てているのです。
キャロルが若さと突っ張りでガソリンのある限り進むなら、
矢沢永吉はバイクを置いて、たばこをふかし、そしてまた進む感じです。
※わかりにくいイメージでごめんなさい。
リアルサウンドにて、音楽プロデューサー本間昭光さんが語っています。
「ロックといえばギターだが、矢沢永吉はキーボードを使っている。
ポップスシーンでより受け入れられる理由だ」
矢沢永吉さんは語っています。
「ギターはギスギスな感じを出したいときに使い、
キーボードは音と音の隙間を埋めるときに使う(調和目的)」
ハスキーでワイルドかつギスギスな歌声、
キーボードを使う調和のとれたなめらかな曲がギャップを産み、
矢沢永吉さん独自の音楽世界を生み出しているのでしょう。
矢沢永吉の人気2:お金の管理
続いては生き方を見ていきましょう。
矢沢永吉さんの人生は常にピンチとチャンスの連続です。
まず生い立ちにおいて、両親は幼い頃にいなくなった。
親戚中回されて、いじめられ、屈折した人生を送った……
ものの、暴力団にはいかなかった。
ビートルズを聞かなければ今頃、悪い道に走っていたかもしれません。
矢沢永吉さんの今回の件はもちろん個人的に擁護はできないがただ今この世の中において「矢沢永吉的」なものが全否定されつつある逆風の時代にあって「矢沢永吉的」なものを貫いているのはすごい。OSとして見たら森喜朗的な昭和感満載であるのだがそれを感じさせない。これもロックンロールの力だろうか
— 長谷川良品 | 放送作家 (@ryohin_jp) September 19, 2022
次に借金です。矢沢永吉さんのすごさといえば
お金そして著作権などへの関心でしょう。
※お金のがめつさが理由で、僕の母は永ちゃんを嫌っています(笑)
キャロル解散後、矢沢永吉さんは時代の流れを知った。
著作権にお金(印税)、そして芸能界の仕組み。
知っているからこそ武器にしてソロでやっていった。
「ミュージシャンが金や著作権など考えるな!」
当時から批判はあったとのこと。
矢沢永吉さんは音楽権利という意味で最初の一歩を踏み出した人間です。
そして忘れてならない事件があります。
98年に元側近が巨額横領事件を起こし、35億円の借金を背負ったのです。
どうやって返済すればいいんだよ……普通の人なら思いますが、
矢沢永吉さんは地道にコンサートやライブを繰り広げ、
15年かけて35億円の借金を返済したのです。
インタビューによりますと、さすがに借金を背負わされた時、
「人生オワタ」思ったとのこと。
一方で「矢沢永吉が本気になったら、返済できないことはない」
己に火をつけて、ひたすら今できることをやりました。
こういう人生を送れる人、なかなかいません。
数多くの苦行・苦難・逆境に対し、
へこたれずに正面からできることをやり遂げるから、
矢沢永吉は生きる伝説となるのでしょう。
矢沢永吉の人気3:後輩はこう見ている
9月14日「ROCK 今日は何の日?」1949年、日本で唯一無二のロックスター、矢沢永吉が誕生。生き様、音楽性など常に賛否両論を背負い、今日まで半世紀近く一線から退くことなくやり続けている姿は賞賛に値し、この国のロックの答えのひとつでもあると思う。このまま最後まで行って欲しい。 pic.twitter.com/9tA10asBIO
— ROCK,MUSIC&BAR Freak (@ROCK_BAR_Freak) September 13, 2022
リアルサウンドにて矢沢永吉座談会の記事がありました。
記事によりますと、中学生の頃から矢沢のファンである
Hi-STANDARDのギター&コーラス担当横山健さんは語っています。
「日本で初めてロッカーとしてお金を稼いだ人であり、
いち歌い手として音楽業界の未来や流れを常に見続け、
新しいことにためらいもせず挑む人」
何より彼のすごさは質問にあると語っています。
「自分(横山)が新しいインディーズレーベルを立ち上げたとき、
矢沢さんから立て続けに質問攻めをうけた。
自分の成功や失敗話(いわゆる親父の説教)をせず、
次々と自分の行為にあれこれ尋ねる矢沢さんはすごい」
そして僕が「うおお」と思った意見として、
同じ記事で矢沢永吉さんがこう語ったのです。
矢沢永吉の”時代を見る目”に震えた
矢沢永吉にモノづくりの本質を見た。
「サブスクリプションはインターネットによって来るべくして来た、世界的な流れ。ミュージックだけじゃなく、消えていく産業、ビジネスは増える。でもメロディー、音楽、ライブパフォーマンスは不滅。やり方、場所は多少変わるけど、ロックは永遠。」#関ジャム pic.twitter.com/2cWhs0zl5E
— 五勝出拳一|SEIKADAI inc. (@gokaken1) August 27, 2019
音楽の定期購読(サブスクリプション)において、
「稼ぎ場を荒らしに来るんじゃないよ」気持ちを抱きつつ、
「どの世界にも淘汰はある。消える産業もあれば増える産業も出てくる。
それでも変わらない部分はある。
メロディ、音楽、ライブパフォーマンス……
多少変わるところは出てくるけど、指くわえて待っている場合でない」
冷静に状況を見極めたうえだからこそ反対でなく、
新しいチャンスを見出そうとする視点こそ、人気の秘訣と言えます。
僕を含めたすべての生き物は、
どんな絶望にもわずかな希望を強引に見つけ、ひたすら走る人に元気をもらうものです。
どんな時代であれ、絶望は平等にやってくる。
だからこそ絶望で終わらせるのでなく、わずかな糸を見つけ、
糸を引っ張り、全力で頑張っていく。
年齢に関係なく失敗してもへこたれない姿勢こそ、
人気の秘訣「矢沢永吉魂」だと考えています。