画像元:https://bunshun.jp/articles/-/7359
昨日、意外な言葉がツイッタートレンドに上がりました。
三角関数。
高校数学で学ぶ科目です。
維新の議員藤巻健太さんが、金融財務委員会で述べた。
「三角関数よりも金融経済を学ぶべきではないか」
この発言が多くの人を怒らせ、ある人は数学の重要性をといた。
ところで炎上したツイートの中から一つ、
気になる言葉がありました。
「慶応の経済出身か、この発言も納得だ」
どういうことでしょうか?
藤巻健太議員の簡単な生い立ち
藤巻議員「文科省としては高校生が学ぶ知識として、三角関数と金融経済、どちらが優先度が高いとお考えか」https://t.co/X0ph5Soql3
藤巻健太議員は、国会で「三角関数は我々の生活の基盤を支える人類の英知の1つ」とした上で、生きていく上でより必要な知識を学ばせるべき、と訴えました。#国会中継 pic.twitter.com/IkdIHfeccw
— ニコニコニュース (@nico_nico_news) May 19, 2022
始めに藤巻健太議員の簡単な生い立ちを書きます。
1983年ロンドン生まれ、お父さんが経済評論家で投資家、
そして元議員の藤巻健史さん。
藤巻健史さんのサイトによると、
1ドル500円のハイパーインフレがやってくるのではないか?
警告しております(現在1ドル129円前後)
慶應義塾大学経済学部に入り、旅とテニスに明け暮れていた。
机の上で学べないことを学んだという言葉に、
多くの人がツイッターでつっこんでいました。
慶應義塾大学経済学部を卒業後、みずほ銀行に入社。
窓口業務や住宅ローン、
海外送金の一般事務に始まり、企業融資・経営コンサル、
そして海外の金融機関と取引など受け持った。
同時に当時議員だった父親の秘書を務め、
2013年から議員として現在活躍なさっています。
慶応大学経済学部の入試試験
画像元:https://passnavi.evidus.com/
炎上したツイートの中で、僕が気になった言葉がありました。
「藤巻健太議員は慶応大学経済学部出身か、ならこの発言も納得だ」
気になっていろいろ調べたところ……
一つに入試問題の姿勢がありました。
上記画像は慶応大学経済学部に必要な入試科目です。
A方式とB方式があって、A方式に数学を課しているが、
B方式は数学を課しておらず、しかも歴史のみ。
しかも共通テストを受けなくてもいいとのこと。
マナビズムというサイトによりますと、
慶応大学では実学を重視しているから、共通テストを外した。
※実学:科学的検証を行い、問題の解決をその場で考え実践する。
だから慶応大学は難しいとのこと。
滑り止めライバルが多いわ、数多くの生徒を振るい落とすため、
浅い考えが通用しない問題を次々出してくるわ……
大きなポイントとして、
B方式なら数学に力を入れずとも経済学部に入れること。
そしてABともに政治・経済(公共)の試験がないこと。
歴史問題で経済に関する話題や論述を出してくれるなら、
まだいいのかなと思うのですが……
三角関数が金融経済にどうつながるのか
三角関数捨てたら微分積分が成立しないし、微分積分無しに金融・経済なんて成り立たないはずなのに、この議員は何を言ってるんだろうかと思って調べたら慶応経済学部卒だったので、あっそこ経済学部なのに数学なしで入れる所だから、まあそりゃ色々仕方ないよね…と思いました
— 全力米国株 (@komcdspxl) May 18, 2022
藤巻議員のツイート炎上を通し、
色々ツッコミツイートを見て思ったことがあります。
三角関数が金融経済に役立っていると述べたツイートが、ほとんど見当たらない。
唯一文科省は答えています。
「文科省は内容の軽重を決めるものでない。
金融教育は必ず屈集しなければならない公共で、三角関数は選択科目の数2」
要は「藤巻議員の言いたいことはわかってるし、今更声を荒げることでもない。
金融教育は必修科目で、三角関数は選択科目なんだから」
藤巻議員一人で踊っていた、という実に単純な回答です。
すでに藤巻議員のような展開になっているよと。
動画みました。「なぜ数学が高校でこんなに大きなウェイトを占めるのか,三角関数と金融教育どっちが大事なのか」という藤巻さんの質問に「文部科学省は内容の軽重を決めるものではない,金融教育は必履修の公共,三角関数は選択科目の数学Ⅱ」と事実だけで返す森田さんのムーブがハイライトでした。 https://t.co/U79e0KhRAL
— すど (@ysmemoirs) May 19, 2022
それとは別に、三角関数が金融経済にどうつながるか?
僕なりに探ってみました。
経済学では微分積分に数列行列、整数そして統計を使います。
関数は言うまでもありませんが、主に指数関数を扱うのです。
確かに三角関数はあまり扱わない。
数学の歴史で捉えたら、三角関数は角度の関数であり、
ラジアンという単位で角度から実数へと置き換えられます。
さらに学習を進めると、指数関数と三角関数、
そして複素数が実はつながっており、一つの美しい公式、
オイラーの方程式ができあがる。
オイラー式は電気の交流計算で普通に使っています。
(高校数学でオイラーの方程式を教えればいいのに、と僕は思う)
金融経済に三角関数はほとんど使わないでしょうが、
関数という単位を扱うなら、学んでおくべきと思うのです。
何より三角関数には周期という大切な言葉があり、
もしかしたら何かしらの公式で周期を使った経済モデルを、
生み出しているのかもしれません。
それにいろんな関数を知っていると、
この関数では計算が難しいけど、別の関数だと楽になる。
というメリットもありますので。
三角関数は重要だよ、でも…
学問に優劣はないという意見が見られるが、教育課程においては学問の優劣こそが重要
ベンガル語を学べば2億人と会話が可能になるが、高校では学ばない。
三角関数の方がベンガル語より、多くの人にとって有用だからだ。
金融リテラシーと三角関数、どちらが優先度が高いのか、改めて考える必要がある。 https://t.co/NyiLBbyEJT— 藤巻健太 衆議院議員 (@Kenta_Fujimaki) May 19, 2022
藤巻議員はその後のツイートで発言をしています。
三角関数は重要だと分かっている。
優先度の高さで言ったら金融経済学習ではないか。
なるほど、慶応イズム(実学重視)が入っているとわかります。
最初、僕は三角関数を軽視してるのかと思いました。
多くの人も同じように捉えたから、ツッコミが入った。
三角関数も重要だけど、実社会では三角関数の考え方より、
金融経済(投資・金利による経済の動き)の考えが大切でしょと。
実学は大事だけど、目先の勉強でしか測れないところに、
実学の弱点があるのかなと思いました。
僕たちも笑っていられないし、怒ってもいられません。
これを機会に改めて数学を学びなおしてはいかがでしょうか。