※本日の画像はすべて商用フリー画像を基に作成
今から一週間前、
東方ゆっくりシリーズの茶番劇が
柚葉さんという動画主によって商標登録されました。
みんなが当たり前に無料で使えるものに対し、
無関係の第三者がいきなり商標登録した結果、
ゆっくりシリーズから遠ざかっていた人、
東方シリーズの生主、神主ZUNさん、
ひろゆきさんその他が声を出し、
世界各国が震える日本を出してしまった。
そして昨日の記者会見で、ドワンゴが太っ腹な発表を行った。
一週間たった後、柚葉さんの現在含め、
色々気になったので調べてみました。
すると……
ゆっくり茶番劇騒動のおさらい
まずはゆっくり茶番商法登録騒動のおさらいをします。
そもそもゆっくり茶番劇は、同人サークル「上海アリス幻樂団」が展開する
「東方Project」の二次創作を示します。
東方キャラ中心だけど、動画主によっては他のキャラも入れ、
ある人は異次元世界を、ある人はファンタジーを、ある人は戦記ものを、
ある人は恋愛ものを、ある人は漫画きららのような緩い展開を……
それぞれが思う作品を上げているのです。
今回、動画投稿者の柚葉さんが「ゆっくり茶番劇」の商標権を取得してしまった。
ねとらぼによりますと、今後ゆっくり茶番劇を行う際、
商標使用許可申請書の提出と年間で10万円の使用料が必要なうえ、
特許及び異議申立期間が2か月以上過ぎた時点で発表したため、
異議申し立てすらできなくなったのです。
柚葉さんの動画やツイッターによると
「ゆっくり茶番劇」という文字を使ったらお金をとる」
ニコニコ「これ以上ゆっくり茶番劇以外も害されないよう、うちがゆっくり系のワードを商標登録するわ。もちろん何も請求しないからフリーに使ってくれておk。ZUN氏も了承済みな」
ニコニコ動画がガチで動画界の任天堂化しだした。
— ゲタライド@仮面ライダー&FGO (@ridertwsibu) May 23, 2022
なので「ゆっくり実況」といった
「茶番劇と明らかに違う」ものは大丈夫でも、
「ゆっくり」だけだと「茶番劇も含む」ため、訴訟の対象にあたるとのこと。
ですが、実況だろうがほかのシリーズだろうが、
「これ、実況でなく茶番劇ですよね?」
いちゃもんをつけられて訴訟対象になる未来はもちろん、
東方ゆっくりシリーズに手を出す動画主が減るばかりか、
「どんどん商標をとってしまえばいいのか」
ずる賢いほかの人がこの件を利用し、特許をとる。
結果、東方そのものの衰退を招いてしまう。
「よくわからないけど、ゆっくりというシリーズで出したらダメなんだ」
ふわふわな印象というべきでしょうか。
ふわふわな印象より「やってはいけない」結論付けてしまうところが、
今回の一番恐ろしい部分だと考えています。
より詳しい内容はこちらに乗せています。
ゆっくり茶番劇特許を認めた海特許事務所の声明
【取得目的は「ゆっくり茶番劇を投稿して運営している複数チャンネルの動画の保護」が目的です】
しれっと嘘をつくな
海特許事務所の説明と相違があるだろうこの可哀想な子は「嘘つきはドロボウの始まり」という言葉を知らないのか https://t.co/WKiguE5AbO pic.twitter.com/gJY98Gpijr
— bell@雑文サイト管理人@ゆっへり茶碗劇 (@bellstown21) May 18, 2022
ゆっくり茶番劇の商標登録について、
取得代理者として海特許事務所が上がっています。
ねとらぼによりますと、海特許事務所がお詫びのコメントを発表。
敬意として動画主の柚葉さんが「自身のチャンネルで使う」ため、
きちんと調査を行ったうえで特許申請を出した。
検索したところ、たった数万件程度であり、
「周知しているとはいえない」判断した。
利益を得るために周知商標(ゆっくり茶番劇)を独占している場合、
「不正目的(商標法第4条第1項第19号)」にあたるかもしれないとのこと。
僕が気になった部分は一つ。数万件は周知でないのか。
僕も「ゆっくり」シリーズは知っていたものの、
教育方面やゲーム実況方面しか知らなかった。
茶番劇そのものは、今回の件で初めて知りました。
数万件といっても、投稿数が数万件なのか、閲覧数が最大で数万程度なのか。
ここらによっても、受け取る結果は変わりますよね。
なお、この事務所に爆破予告を述べた犯罪者もいたとのこと。
これはきちんと逮捕されてしかるべき案件です。
さて、昨日の記者会見にて……
ドワンゴと神主怒りの反撃記者会見
みんなの公共財産が一人の手によって独占された。
昨日ニコニコ動画でカドカワと東方神主のZUNさんが記者会見を開いていました。
※ちょうど岸田総理とバイデン大統領の記者会見と同時刻。
ドワンゴの記者会見内容として
- 柚葉さんに対し、商標権放棄の交渉を行う
- 柚葉さんが拒んだ場合、商標権無効裁判を行う
- ドワンゴが商標登録をとり、取得した場合、一切の権利行使をしない
この発表に多くのクリエイターが頭を下げました。
「ゆっくり文化を守っていただきありがとう」
無効裁判と商標放棄の違いとして、
もし裁判になったら動画主の個人情報や状況について、
全て暴かれてしまうばかりか、負けた場合金額含めて請求される。
放棄なら個人情報も多くの人に知れ渡らず、
費用もそれほどかけず、さっさと撤退できる。
ドワンゴの対応に対し、動画主柚葉さんはどんな対応をとったのか?
動画主柚葉さんの対応
おはようございます。
今朝柚葉より
「月曜日から放棄手続きを開始する」との報告がありましたこと、ご報告をさせて頂きます。
柚葉の放棄手続き完了を見届けた後、弊会としての対応を終了とさせていただきます。
宜しく御願い致します。— Coyu.Live@コムドット局長 (@CoyuLive) May 20, 2022
動画主柚葉さんは個人でやっているのでなく、
団体Coyu.Liveに所属しております。
Coyu.Liveからの説得に応じたのか、放棄に向けて進んでいるとのこと。
しかしドワンゴは「本人の声がない」と言って方針を変える気はない。
なおツイッターではすでに柚葉さんの顔や住所など特定されており、
柚葉さんも仲間のツイッターにて首から下(男性)のみ出ていました。
彼は一般人ですので、住所や本名などの個人情報を載せません。
個人情報は僕にとってどーでもよく、本質は商標権をどうするのか?ですから。
【Twitter更新】「ゆっくり茶番劇」商標登録の柚葉氏、抹消申請を行ったと報告https://t.co/EiM66mlqF1
その「事由」として「関係者等に対する誹謗中傷及び名誉棄損・虚偽・捏造された情報の流布により本来の目的を全うすることが困難となった為」としている。
— ライブドアニュース (@livedoornews) May 24, 2022
柚葉さんは24日で商標登録の放棄を行いました。
商標権騒動が起こした奇跡
柚葉さんは当初、ゆっくり茶番劇を使って特許料で儲けようとした。
公共財産と思っていた僕たちが「は?」怒った。
怒りは第三者だけでなく、ゆっくりシリーズを使っている人、
そして関係ある人にも及んだ。
おかげで東方シリーズから一時身を引いていた方や、
ひろゆきさんといったネットで活躍していた人が一斉に声を上げ、
「ああ、この人生きていたんだ」
生存確認を含む感動と連帯感がツイッターを中心に見られたのです。
仕事で忙しくなったり、趣味が移り変わったり、
バカらしくて引退したりと東方シリーズから遠ざかったいた人たちが、
柚葉さんの商標登録を元に、再び立ち上がり、声を出した。
いざという時、今の自分がどんな状態であろうと立ち上がる。
ここに日本という国の、古くから変わらない日本人の魂(怖さ)を感じたのです。