さよなら絵梨(藤本タツキ先生読み切り)感想!酷くて理解不能すぎる一方



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月曜日といえばジャンプなど、週刊誌の発売日です。

最近はネットで少年ジャンプ+がおおいに話題となっており、

この前最終回を迎えたタコピーの原罪、
ハイパーインフレーション、怪獣8号他、
たくさんの天才が出ている。

現時点で「最も天才」と呼べる漫画家が
「チェンソーマン」を描いた藤本タツキ先生

正直、僕はいまだにチェンソーマンの良さ、
すごさがわかっておりません

藤本先生が今日、新作読み切りを出しました。
さよなら絵梨。

早速ツイッタートレンドでも大いに議論が沸き起こり、
読み切りと言いながら200ページを軽く超え
僕も30分ほど時間をかけて、じっくり読みました。

読んだ感想は……いいところもある一方、
これは酷いなと思った箇所もありました。

そして……

 

藤本タツキ先生の簡単な生い立ち

※今年夏からアニメ「チェンソーマン」を放送するとのこと。

始めに藤本タツキ先生の簡単な生い立ちから見ていきましょう。

1992年秋田県生まれ。性別は男。

幼いころから絵を描いていた。

中学生になってから脳内で雑誌を作り、
面白くないと判断した作品はすぐ脳内で打ち切りをやり、
面白いものだけ脳内で次々と展開を創っていった

本当に面白くて感動した作品は涙が出そうになった。

※ある成功法則系の本にあった内容として、
スケートの羽生結弦選手が飛行機の中でイメージトレーニングを行い、
あまりの出来の良さに涙を流した話を思い出した(ヒラマサ五輪時)。

美大に通いながら、次々投稿作品を集英社に送り、
ファイアパンチ(集英社)で作家としてデビューを飾り、
そしてチェンソーマンでおおいに話題をかっさらった

僕もチェンソーマンを読んでいたのですが、

「少年ジャンプに乗せる内容か? ヤングジャンプじゃないか?」
「ジョジョの奇妙な冒険とは違うグロテスクだわ」

思いながら読んでいたのです。

チェンソーマンが少年ジャンプ出乗ること自体、
「少年漫画に対する大きな革命だ」述べている人います。

 

なぜ藤本先生は天才と呼ばれるのか?

僕が思う藤本先生の良さは線の荒さにあります。

少女系の漫画や女性作者が描く線に比べて雑ですが、
戦闘や激しい心情を示すシーンでは
僕の心にトゲを突き刺しまくり、心地いい。

※今回の読み切りにバトルシーンはありません。

藤本先生はインタビューにて述べています。

「一通りの漫画を読んだけど、ありきたりで飽きた。
飽きて新しい新鮮さを求める人たちが読んでいる」

僕みたいに、ありきたりの漫画に飽きていない人間からすると、
藤本先生の作品は難しいのかもしれません。

そこが天才と呼ばれる理由の一つと考えています。
すぐ理解させるのも天才だけど、一読で理解させないのも天才。

天才にも種類が色々あるという意味です。

僕以外の人は藤本先生のどこを「天才」と見ているか。

いくつか調べたところ、

「思考からしてすでに変わっている。
バイト生活が嫌で、読み切りに投稿しまくっていた」

藤本先生と同じ思考を持つ漫画家が、なんと鳥山明さんだった。

「中学時代からすでにプロの作家に等しい活動を送り、
ネームが決まったら速攻でジャンプに企画を持ち込んだ」

他にも行動力の速さを上げています。

そして重要な部分が協力者の存在。

先ほど載せたツイート、編集者の林士平さんがいなければ、
藤本先生の才能をより爆発させられなかった。

天才は一人で成り立たず、読者を含めて理解してくれる人はもちろん、

この人はまだ無名だけど、絶対に天才を発揮して、
漫画の歴史に革命をもたらす!

育ててくれる人がいて、初めて成り立つと考えます。

 

さよなら絵梨の良さと悪さ

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さて今回トレンドに上がった藤本先生の読み切りについて、
僕の感想を述べていきます。

「良かった」ところは映画のようにコマを進めていけば、
すすすっと流れていくところ。

今回のさよなら絵梨は4コマ風に展開しながら、
あるところでいきなりコマ二つとなり、
読み手の「次は何が起きるだ」ワクワクさせ……

見開き2ページで大きな衝撃(建物爆破)が来る。
動静のコントロールがとてもうまい。

大きな衝撃にびっくりしたら、
その次のページでは更なる衝撃(建物爆破は映画のワンシーンだった)がくる。

一つの衝撃にびっくりさせたと思ったら、
二つ目には異なる衝撃を与えて、読み手にショックを与える。

ショックを持ったので、バランスを戻すために次のコマを読み進める。
コマと演出によって「読者を掌で操っている感覚」が半端ない

一方で「酷い」と思った箇所がストーリー。
酷いは言い過ぎかもしれませんが、一読してすっとわからない

3回ほど読み直しつつ、他人の考察を参考にするうち、
だんだん話の意味と流れがわかってきました。

一言で言うと、初見の読者に優しくない

次に時間と空間の感覚も全くわからない

いきなり未来に飛んだ……と思ったら舞台も突然変わる。

予告が無いから、読み進めていくうちに頭がついてこれず、
一読だけでは何が何だか追いつけない「わかりにくさ」がある

好き嫌いがはっきり分かれる作品で、僕は「嫌い」なほうです。

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良さ悪さを越えて「素晴らしい」思った箇所は、1ページを使った演出です。

前の読み切り「ルックバック」にもあったのですが、
見開き2ページが漫画というより絵画と呼べる力を持っている。

ルックバックの上記シーンは本当に、
誰か油絵として描いてくれないかと思うほど。

※故人だけど、ドガ(踊り子を描いた画家)にこの光景を描いてほしい。

ストーリーは一読してわからないし、
他人の考察を借りないとわからない一方で、

コマと演出、そして油絵にしたくなる見開き2ページの芸術性。

少年ジャンプ編集者はよくこの作品を「少年ジャンプ」として載せたな。
よくぞ藤本先生を最高の舞台に引き上げてくれた。ありがとう!

何度か読み切りを読んで思いました。
次はどんな異次元を出してくれるのでしょう。